ベールのカテゴリー定理(3)

\( \DeclareMathOperator{\diam}{diam} \newcommand{\equ}{\, \Leftrightarrow \,} \newcommand{\imp}{\, \Rightarrow \,} \newcommand{\emset}{\emptyset} \newcommand{\Cap}{\bigcap} \newcommand{\Cup}{\bigcup} \newcommand{\sp}{\supset} \newcommand{\ss}{\subset} \newcommand{\tm}{\times} \newcommand{\cd}{\cdots} \newcommand{\ld}{\ldots} \newcommand{\oo}{\infty} \newcommand{\ol}[1]{\overline{#1}} \newcommand{\prn}[1]{\left( #1 \right)} \newcommand{\set}[2]{\left\{ #1 \mathrel{} \middle| \mathrel{} #2 \right\} } \)

1. 次の命題は, ベールのカテゴリー定理と呼ばれる.

完備距離空間ベール空間である.

2. 証明.

\( U_n \) \( (n \ge 1) \) を稠密開集合として, \[ \Cap_{n=1}^{\oo} U_n \] が稠密であることを示せばよい. そのためには, 任意の開球 \( B_0 \) に対して, \[ \prn{\Cap_{n=1}^{\oo} U_n} \cap B_0 \ne \emset \] であることを示せばよい.

\( B \) を開球とするとき, \( B \cap U_n \) は空でない開集合であるので, \[ \ol{B'} \ss B \cap U_n \] をみたす半径 \( 1/n \) 以下の開球 \( B' \) が存在する.

\( B_0 \) から始めて上の事実を繰り返し用いると, 各 \( n \ge 1 \) に対して, \begin{align} &\ol{B_n} \ss B_{n-1} \cap U_n, \\[0.8em] &\text{\( B_n \) の半径は \( 1/n \) 以下}, \end{align} がみたされるような開球の列 \[ B_1, \quad B_2, \quad B_3, \quad \ld \] がとれる. とり方により, \begin{gather} \ol{B_1} \sp \ol{B_2} \sp \ol{B_3} \sp \cd, \\[0.8em] \diam \ol{B_n} = 2 \tm (\text{\( B_n \) の半径}) \le \frac{2}{n} \to 0 \quad (n \to \oo) \end{gather} であるので, 「完備距離空間の縮小閉集合列」より, \[ \Cap_{n=1}^{\oo} \ol{B_n} \ne \emset \] である. \begin{align} \ol{B_n} &\ss U_n \quad (n \ge 1), \\[0.8em] \ol{B_1} &\ss B_0 \end{align} より, \[ \Cap_{n=1}^{\oo} \ol{B_n} \ss \prn{\Cap_{n=1}^{\oo} U_n} \cap B_0 \] であるので, 主張は示された. //