完備距離空間の縮小閉集合列

\( \DeclareMathOperator{\diam}{diam} \newcommand{\e}{\varepsilon} \newcommand{\all}{\forall} \newcommand{\emset}{\emptyset} \newcommand{\Cap}{\bigcap} \newcommand{\sp}{\supset} \newcommand{\cd}{\cdots} \newcommand{\oo}{\infty} \newcommand{\brc}[1]{\left\{ #1 \right\}} \newcommand{\prn}[1]{\left( #1 \right)} \newcommand{\set}[2]{\left\{ #1 \mathrel{} \middle| \mathrel{} #2 \right\} } \)

1. 以下, 考えている距離空間の距離を \( d \) で表す.

2. 距離空間の部分集合 \( A \) に対して, その直径を \[ \diam A := \sup_{x, y \in A} d(x,y) \] で定義する.

3. 完備距離空間の空でない縮小閉集合列 \[ F_1 \sp F_2 \sp F_3 \sp \cd \sp F_n \sp \cd \] が \[ \diam F_n \to 0 \quad (n \to \oo) \] をみたすとき, 集合 \[ \Cap_{n=1}^{\oo} F_n \] は1点集合である.

4. 証明: 各 \( n \ge 1 \) に対して, \[ x_n \in F_n \] を1つとる.

このとき, 点列 \( (x_n)_{n=1}^{\oo} \) はコーシー列である.

なぜなら: \( \e > 0 \) を任意にとるとき, \[ \diam F_N < \e \] となる番号 \( N \) が存在する. \( m \ge n \ge N \) のとき, \[ x_m , \, x_n \in F_N \] であるので, \[ d(x_m, x_n) \le \diam F_N < \e \] である. //

点列 \( (x_n)_{n=1}^{\oo} \) の収束先を \( x \) とするとき, 任意の \( n \ge 1 \) に対して, \( x \) は \( F_n \) の触点である. 各 \( F_n \) は閉集合であるので, \[ x \in F_n \quad (n \ge 1). \] したがって, \[ x \in \Cap_{n=1}^{\oo} F_n \] である.

\( y \) をこの集合の要素とするとき, 任意の \( n \ge 1 \) に対して, \( x \), \( y \in F_n \) であるので, \[ d(x,y) \le \diam F_n . \] \( \diam F_n \to 0 \) より \( x = y \) でなければならない. //