分割が定める \( \sigma \) 代数

\( \newcommand{\RR}{\mathbb{R}} \newcommand{\scA}{\mathscr{A}} \newcommand{\scD}{\mathscr{D}} \newcommand{\s}{\sigma} \newcommand{\aset}{\{ a \}} \newcommand{\Cup}{\bigcup} \newcommand{\imp}{\Rightarrow} \newcommand{\ss}{\subset} \newcommand{\ssne}{\subsetneq} \newcommand{\oo}{\infty} \newcommand{\prn}[1]{\left( #1 \right)} \newcommand{\set}[2]{\left\{ #1 \mathrel{} \middle| \mathrel{} #2 \right\} } \)

1. \( X \) を空でない集合とし, \( \scD \) を \( X \) の分割(すなわち, \( \scD \) は空集合を含まない \( X \) の部分集合族であり, \( X \) の各要素は \( \scD \) のただ1つの要素に属する)とする. このとき, \( \scD \) の要素の和で構成される部分集合族 \[ \scA := \set{\Cup_{D \in \scD_0} D}{\scD_0 \ss \scD} \] は \( X \) 上の \( \s \) 代数である.

2. 証明: \( \s \) 代数の3つの条件を確認すればよい.

(i) \( X = \Cup_{D \in \scD} D \in \scA \).

(ii) \( A \in \scA \imp A^c \in \scA \) :

なぜなら, \( \scD_0 \ss \scD \) に対して, \[ \prn{\Cup_{D \in \scD_0} D}^c = \Cup_{D \in \scD_0^c} D \in \scA \] であるから. //

(iii) \( A_i \in \scA \, (i \ge 1) \imp \Cup_{i=1}^{\oo} A_i \in \scA \) :

なぜなら, 各 \( A_i \) は \( \scD \) の要素の和であるので, \( \Cup_{i=1}^{\oo} A_i \) も \( \scD \) の要素の和であるから. //

3. \( \scD \ss \scA \) であり, \( \scA \) は \( \s \) 代数であるので, \[ \s(\scD) \ss \scA \] である(\( \scD \) により生成される \( \s \) 代数を \( \s(\scD) \) で表す).

4. これらは一般には異なる. 例えば, \( X = \RR \) とし, \( \scD \) を1点集合からなる分割とする: \[ \scD := \set{\aset}{a \in \RR}. \] このとき, この分割が定める \( \s \) 代数は \[ \scA = 2^X \] であるが, この分割により生成される \( \s \) 代数は \[ \s(\scD) = \set{S \ss \RR}{\text{\( S \) あるいは \( S^c \) が可算}} \] であるので, \( \s(\scD) \ssne \scA \) である.

5. しかし, \( \scD \) が \( X \) の可算な分割である場合には, \[ \s(\scD) = \scA \] が成り立つ.

なぜなら: \( \scA \ss \s(\scD) \) を示せばよいが, \( \scA \) の要素は \( \scD \) の要素の可算和, したがって, \( \s(\scD) \) の要素の可算和であり, \( \s(\scD) \) に属している. //