1. \( A \) を位相空間 \( X \) の部分集合とするとき, \( X \) の点 \( x \) は次の3つのどれかに分類される:
- (内点)\( x \) の開近傍で, \( A \) に含まれるものが存在する.
- (外点)\( x \) の開近傍で, \( A^c \) に含まれるものが存在する.
- (境界点)\( x \) の開近傍は, 必ず \( A \) および \( A^c \) と交わる.
2. \( A \) の外点とは, \( A^c \) の内点のことであり, \( A \) の境界点とは, \( A \) の内点でも外点でもない点のことである.
3.
- \( A \) の内点の集合を \( A \) の内部(interior)といい, \( \Int A \) と書く.
- \( A \) の外点の集合を \( A \) の外部(exterior)といい, \( \Ext A \) と書く.
- \( A \) の境界点の集合を \( A \) の境界(boundary)といい, \( \rd A \) と書く.
このとき, \[ X = \Int A \qup \Ext A \qup \rd A \] である(\( \qup \) は非交和を表す).
1. \( \Int A \) は \( A \) に含まれる開集合のうち最大のものである.
2. 順番に見ていく. まず, \( \Int A \) が \( A \) に含まれることは自明である.
3. \( A \) に含まれる開集合 \( U \) は, \( \Int A \) にも含まれることに注意する.
なぜなら: \( U \) の各点に対して, \( U \) はその点の \( A \) に含まれる開近傍である. したがって, \( U \) の各点は \( A \) の内点である. //
4. \( \Int A \) が開集合であることを見る. \( x \in \Int A \) とすると, ある \( x \) の開近傍 \( U \) が存在して, \[ U \ss A \] となる. 上の注意により, \[ U \ss \Int A \] であるので, \( \Int A \) は開集合である.
5. \( \Int A \) は \( A \) に含まれる開集合であることが分かった. \( \Int A \) がこのようなもののうち最大のものであることを見る. \( U \) を \( A \) に含まれる開集合とすると, 再び上の注意により, \[ U \ss \Int A \] である. //
6. したがって, \( \Int A \) は次のように書ける: \[ \Int A = \Cup \set{U}{\text{\( U \) は \( A \) に含まれる開集合}}. \]
1.
- (触点)\( x \) の開近傍は, 必ず \( A \) と交わる.
\( A \) の触点とは, \( A \) の外部に属さない点のことである.
2.
- \( A \) の触点の集合を \( A \) の閉包(closure)といい, \( \olA \) と書く.
このとき, \[ \olA = (\Ext A)^c = \Int A \qup \rd A \] である.
1. \( \olA \) は \( A \) を含む閉集合のうち最小のものである.
2. これは, \( \Ext A = \Int (A^c) \) が \( A^c \) に含まれる最大の開集合であることから従う.
3. まず, \( \olA = (\Ext A)^c \) が \( A \) を含む閉集合であることは自明である.
4. 次に, \( A \) を含む閉集合 \( F \) をとると, \( F^c \) は \( A^c \) に含まれる開集合であるので, \[ F^c \ss \Ext A \] である. 補集合をとると, \[ F \sp \olA \] となる. //
5. したがって, \( \olA \) は次のように書ける: \[ \olA = \Cap \set{F}{\text{\( F \) は \( A \) を含む閉集合}}. \]