- 方程式: \[ x^2 + y^2 = n, \quad n = p_1^{\, l_1} \, p_2^{\, l_2} \, \cdots \, p_r^{\, l_r}. \tag{#} \] ここで, 全ての \( h \) に対して, \[ p_h \equiv 1 \pmod{4}. \]
- 整数解: \begin{multline} x+i \, y \, = \, \pm \, \left(\pi_1^{a_1} \, \overline{\pi_1}^{\,l_1-a_1} \right) \, \left(\pi_2^{a_2} \, \overline{\pi_2}^{\,l_2-a_2} \right) \, \cdots \, \left(\pi_r^{a_r} \, \overline{\pi_r}^{\,l_r-a_r} \right), \\[0.5em] 0 \le a_h \le l_h. \qquad \tag{☆} \end{multline} ここで, \[ p_h = \pi_h \, \overline{\pi_h}, \quad \pi_h \, \text{は複素整数}. \]
解を増やす
仮説 B と仮説 C
(☆☆)で与えられる整数解が全て異なるとすると, その数は \[ 4 \, \left(l_1 + 1 \right) \, \left(l_2 + 1 \right) \, \cdots \, \left(l_r + 1 \right) \] 個となります. これは, 前回の実験で予想した方程式(#)の整数解の個数と一致します. これを単なる偶然だと考えないならば, その一致を説明するために, 次の仮説を導入することは自然でしょう:
ここでは行いませんが, 計算機を用いて調べてみると, 仮説 B, C の正しいらしいことを確信できます.
今後の目標
これらの仮説の導入で, 複素整数を用いた方程式(#)の研究は一段落つきました. 仮説 B, C が正しいならば, それは非常に満足のいく結果だと言えるからです.
しかしながら, これらが正しいかどうかはまだ分かりません. これまでに導入した3つの仮説は, 未だ単なる仮説です. 仮説は検証されねばなりません. 私たちは導かれるままに進みましょう. 今後の目標は, 仮説 A, B, C の検証です.
(一般の \( n \) に対する方程式(#)の解法については述べませんが, 本連載の第 II 部までを理解すれば, それほど難しくなく見付け出せると思います.)
関係ないですが。。。
マウスを乗せると動きます.