アポロニアン・ガスケットは, 円を次々と隙間にはめ込んでいくことにより描かれます. 次に描くべき円は, その時に存在する”隙間”によって決定され, それらの円を描くことにより, また新しい”隙間”が生み出されます. 第 2 世代以降の円を考察するにあたって, まず最初に, アポロニアン・ガスケットにおける”隙間”と円の関係について見ておきたいと思います.
第 n−1 世代(n ≧ 1)の円を描き終えた時点で, 円 D の内側にはいくつかの”隙間”が空いています. これらの”隙間”のことを「第 n−1 世代の隙間」と呼ぶことにします. 第 n−1 世代の隙間に描かれるのが「第 n 世代の円」です.
第 n 世代の円を描くと, 第 n−1 世代の隙間の中に3つの第 n 世代の隙間が生まれます. 第 n 世代の隙間は必ずこのようにして生み出され, これら以外のものはありません. 隙間の数は, 世代が進むにつれて3倍ずつ増えていきます.
上のグラフは, 次々と生み出される隙間たちの間にある包含関係を表したものです. 頂点は各隙間を表しており, 包含関係のある隙間同士は辺で結ばれています.