可換環の可逆元と極大イデアル

\( \newcommand{\calM}{\mathcal{M}} \newcommand{\r}{\rho} \newcommand{\all}{\forall} \newcommand{\cc}{\circ} \newcommand{\col}{\, \colon \,} \newcommand{\cd}{\cdots} \newcommand{\Cup}[2]{\bigcup_{#1}^{#2}} \newcommand{\equ}{\, \Leftrightarrow \,} \newcommand{\imp}{\, \Rightarrow \,} \newcommand{\ld}{\ldots} \newcommand{\mto}{\mapsto} \newcommand{\nin}{\not\in} \newcommand{\sm}{\setminus} \newcommand{\ssne}{\subsetneq} \newcommand{\tm}{\times} \)

1. \( R \) を単位元をもつ可換環とする. その可逆元全体を \( R^{\tm} \) と書き, その極大イデアル全体を \( \calM \) と書く. このとき, \[ R^{\tm} = R \sm \Cup{M \in \calM}{} M. \] すなわち, \( x \in R \) に対して, \[ \text{\( x \) は可逆} \equ \text{\( x \)を含む極大イデアルは存在しない}. \]

2. このことを証明しよう. 次の2点に注意する:

1. \( R \) 自身ではない \( R \) の任意のイデアルは, \( R \) のある極大イデアルに含まれる. (Zorn補題からすぐに従う.)

2. \( x \in R \) に対して, \[ x \in R^{\tm} \equ (x) = R. \] \( (x) \) は \( x \) により生成される単項イデアルのこと.

3. したがって, \( x \in R \) に対して, \begin{align} x \nin R^{\tm} &\equ (x) \ssne R \\[0.8em] &\equ \text{\( (x) \) を含む極大イデアルが存在する} \\[0.8em] &\equ \text{\( x \) を含む極大イデアルが存在する} \end{align} である. //