積分の平均値の定理

\( \newcommand{a}{\alpha} \newcommand{\b}{\beta} \newcommand{\rec}[1]{\frac{1}{#1}} \newcommand{\ab}[1]{\left| #1 \right|} \newcommand{\prn}[1]{\left( #1 \right)} \newcommand{\brc}[1]{\left\{ #1 \right\}} \newcommand{\set}[2]{\left\{ #1 \mathrel{} \middle| \mathrel{} #2 \right\}} \)

1. 前回, 平均値の定理について述べましたが, これとは別に, 「積分平均値の定理」と呼ばれる定理もあります. こちらは積分の性質について述べた定理です.

\( f \) を閉区間 \( [a,b] \) 上の連続関数とする. このとき, \[ \rec{b-a} \int_a^b f(x) \, dx = f(c) \] をみたす \( c \in (a,b) \) が存在する.
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2. 証明は中間値の定理を用いるだけです.

\( f \) を閉区間 \( [a,b] \) 上の連続関数とする. \( y \) が \( f(a) \) と \( f(b) \) の間にある実数(\( f(a) \) と \( f(b) \) の大小関係に応じて, \( f(a) \le y \le f(b) \) または \( f(b) \le y \le f(a) \))であれば, \[ f(c) = y \] をみたす \( c \in [a,b] \) が存在する.

3. 積分平均値の定理の証明:

アイディアは次の図の通り:

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厳密に述べます:

\( f \) の \( [a,b] \) における最小値と最大値をそれぞれ \( m \) と \( M \) とする. \( m = M \) であれば \( f \) は定数であり, 任意の \( c \in (a,b) \) に対して, \[ \int_a^b f(x) \, dx = f(c) (b-a) \] である.

\( m \ne M \) とする. このとき, \[ m \le f(x) \le M \quad (\forall x \in [a,b]) \] であるが, \( f \) は恒等的に \( m \) でもなければ \( M \) でもないので, \[ \int_a^b m \, dx < \int_a^b f(x) \, dx < \int_a^b M \, dx \] が成り立つ. したがって, \[ m < \rec{b-a} \int_a^b f(x) \, dx < M \] である.

\( f \) が最小値および最大値をとる点をそれぞれ \( \a \) および \( \b \) とする: \[ f(\a) = m, \quad f(\b) = M. \] \( \a < \b \) とすると, 中間値の定理により, ある \( c \in [\a, \b] \) が存在して \[ f(c) = \rec{b-a} \int_a^b f(x) \, dx \] となる. \( c \) は \( \a \) および \( \b \) ではありえないので \( c \in (\a, \b) \) であり, したがって, \( c \in (a,b) \) である.

\( \b < \a \) としても同様である. //