\( \mathbb{R} \) の開集合は、互いに交わらない可算個の開区間の和である

\( \newcommand{\calU}{\mathcal{U}} \newcommand{\calI}{\mathcal{I}} \newcommand{\bbR}{\mathbb{R}} \newcommand{\olbbR}{\overline{\mathbb{R}}} \newcommand{\bbQ}{\mathbb{Q}} \newcommand{\l}{\lambda} \newcommand{\L}{\Lambda} \newcommand{\oo}{\infty} \newcommand{\emset}{\emptyset} \newcommand{\sm}{\setminus} \newcommand{\ss}{\subset} \newcommand{\sp}{\supset} \newcommand{\nin}{\not\in} \newcommand{\qup}{\sqcup} \newcommand{\Cup}{\bigcup} \newcommand{\ld}{\ldots} \newcommand{\cd}{\cdots} \newcommand{\col}{\, \colon \,} \newcommand{\mto}{\mapsto} \newcommand{\uto}[1]{\overset{#1}{\longrightarrow}} \newcommand{\imp}{\,\,\, \Rightarrow \,\,\,} \newcommand{\fol}{\,\,\, \Leftarrow \,\,\,} \newcommand{\equ}{\,\,\, \Leftrightarrow \,\,\,} \newcommand{\def}{\overset{\text{def}}{\equ}} \newcommand{\rec}[1]{\frac{1}{#1}} \newcommand{\set}[2]{\left\{ #1 \mathrel{} \middle| \mathrel{} #2 \right\}} \newcommand{\prn}[1]{\left( #1 \right)} \newcommand{\brc}[1]{\left\{ #1 \right\}} \newcommand{\brk}[1]{\left[ #1 \right]} \newcommand{\ab}[1]{\left| #1 \right|} \newcommand{\ol}[1]{\overline{#1}} \)

1. \( \bbR \) の開集合は簡単な形をしている. すなわち,

「\( \bbR \) の開集合はすべて, 互いに交わらない可算個の開区間の和である.」

2. 以下では, この事実の証明を述べる.

証明の前の注意:

1. 拡大実数の全体 \[ \ol{\bbR} = \bbR \qup \brc{\pm \oo} \] には, 自然に全順序が入っている. 開区間とは, ある拡大実数 \(a < b\) に対して, \[ \set{x \in \bbR}{a < x < b} \] と書ける \( \bbR \) の部分集合のことである.

2. \( \olbbR \) の任意の集合は, \( \olbbR \) 内に必ず上限および下限をもつ.

1. まず補題から: 空でない開区間の族 \( (I_{\l})_{\l \in \L} \) が共通部分をもてば, その和 \[ \Cup_{\l \in \L} I_{\l} \] も開区間である.

2. 証明: 各 \( \l \) に対して, \[ I_{\l} = (a_{\l}, b_{\l}), \quad a_{\l}, \, b_{\l} \in \olbbR \] とする. \( y \) を共通部分の要素とすると, 各 \( \l \) に対して, \[ I_{\l} = (a_{\l}, y] \cup [y, b_{\l}). \] したがって, \[ \Cup_{\l \in \L} I_{\l} = \prn{ \Cup_{\l \in \L} (a_{\l}, y] } \cup \prn{ \Cup_{\l \in \L} [y, b_{\l}) } \] である. \begin{align} a &:= \inf_{\l \in \L} a_{\l} \in \olbbR, \\[0.8em] b &:= \sup_{\l \in \L} b_{\l} \in \olbbR \end{align} と定義すると, \begin{align} \Cup_{\l \in \L} (a_{\l}, y] &= (a, y], \\[0.8em] \Cup_{\l \in \L} [y, b_{\l}) &= [y, b). \end{align} したがって, \[ \Cup_{\l \in \L} I_{\l} = (a, y] \cup [y, b) = (a,b) \] である. //

1. 補題をもう1つ: 互いに交わらない \( \bbR \) の開集合の集まり \( \calU \) は可算である.

2. 証明: \( \bbR \) の開集合は必ず有理数を含むので, \( \calU \) に属する各開集合から1つ有理数を選ぶことができる. 各開集合に対して, このようにして選んだ有理数を対応させると, それは \( \calU \) から \( \bbQ \) への単射である. したがって, \( \calU \) は可算である. //

1. 冒頭の主張の証明を始める. \( U \) を \( \bbR \) の開集合とする. \( U \) が空であれば主張は明らかであるので, \( U \) は空でないと仮定する.

2. \( U \) に含まれる開区間のうち, 包含関係に関して極大なものの集まり \( \calI \) を考える. 可算性についての上の補題より, \( \calI \) が \( U \) の直和分解を与えることを示せばよい.

3. \( U \) が \( \calI \) の要素の和であること: \( x \in U \) とする. \( x \) を含む \( U \) 内の開区間すべての集まり \[ \set{\text{開区間 \( I \ss U\)}}{x \in I} \] を考えると, \( U \) は開集合であるので, これは空でない. この集合族の和を \( I_x \) とすると, 上の補題より, \( I_x \) は \( U \) に含まれる開区間である. 定義より明らかに, \[ I_x \in \calI. \] \( x \in I_x \) であるので, \( x \) は \( \calI \) の要素の和に含まれる. //

4. \( \calI \) の異なる要素が互いに交わらないこと: \( I \), \( J \in \calI \) とし, これらが共通部分をもつとする. このとき, 上の補題より, \( I \cup J \) は \( U \) 内の開区間である. \( I \), \( J \) の極大性より, \[ I = I \cup J, \quad J = I \cup J \] であるので, \( I = J \) である. //