位相の基、あるいは開基

\( \newcommand{\calA}{\mathcal{A}} \newcommand{\calB}{\mathcal{B}} \newcommand{\calO}{\mathcal{O}} \newcommand{\hcalB}{\hat{\mathcal{B}}} \newcommand{\hatB}{\hat{B}} \newcommand{\l}{\lambda} \newcommand{\L}{\Lambda} \newcommand{\emset}{\emptyset} \newcommand{\ss}{\subset} \newcommand{\sp}{\supset} \newcommand{\Cup}{\bigcup} \newcommand{\Cap}{\bigcap} \newcommand{\cd}{\cdots} \newcommand{\imp}{\Rightarrow} \newcommand{\set}[2]{\left\{ #1 \mathrel{} \middle| \mathrel{} #2 \right\}} \newcommand{\prn}[1]{\left( #1 \right)} \newcommand{\brk}[1]{\left[ #1 \right]} \)

1. \( (X, \calO) \) を位相空間とし, \( \calB \) を \( X \) の部分集合族とする.

\( \calB \) が位相 \( \calO \) のである, あるいは開基であるとは, \( \calB \ss \calO \) であって, \( X \) の任意の開集合が \( \calB \) に属する集合の和である, すなわち, \[ O \in \calO \,\,\, \imp \,\,\, \text{ある \( \calB' \ss \calB \) が存在して, \( \, \textstyle O = \Cup_{B \in \calB'} B \)} \] であることである.

\( \calB \) に属する集合の和として書ける集合の全体を \( \hat{\calB} \) とおけば, すなわち, \[ \hat{\calB} := \set{\Cup_{B \in \calB'} B}{ \calB' \ss \calB} \] とおけば, \( \hat{\calB} = \calO \) であることとも言える.

2. このとき, \( \calB \) は位相 \( \calO \) を生成している. 位相の基は, その位相の特別な生成集合族である.

1. \( (X, \calO) \) を位相空間とし, 位相 \( \calO \) が \( X \) の部分集合族 \( \calA \) で生成されているとする.

2. このとき, \( \calA \) から位相 \( \calO \) の基を作ることができる: \[ \calB := \set{\Cap_{A \in \calA'} A}{ \text{\( \calA' \) は \( \calA \) の有限部分集合} } \] とおくとき, \( \calB \) は位相 \( \calO \) の基である.

3. このことを証明するために, \( \calB \) に属する集合の和として書ける集合の全体 \( \hat{\calB} \) を考える: \[ \hat{\calB} := \set{\Cup_{B \in \calB'} B}{ \calB' \ss \calB}. \] 示すべきことは, \( \hat{\calB} = \calO \) である..

4. \( \calA \ss \calO \) より \( \calB \ss \calO \) であり, さらにこれより, \( \hat{\calB} \ss \calO \) である. また, \( \calA \ss \calB \ss \hat{\calB} \) でもあるので, \[ \calA \ss \hat{\calB} \ss \calO \] である.

したがって, \( \hat{\calB} \) が位相であることを示せばよい. そうすれば, \( \calO \) は \( \calA \) を含む最小の位相であるので, \( \hat{\calB} = \calO \) が従うからである.

5. \( \hcalB \) に対して, 位相の3条件を確かめる:

  1. \( \emset, \, X \in \hcalB \).
  2. \( \hatB_1, \, \hatB_2 \in \hcalB \,\,\, \imp \,\,\, \hatB_1 \cap \hatB_2 \in \hcalB \).
  3. \( \forall \l \in \L, \, \hatB_{\l} \in \hcalB \,\,\, \imp \,\,\, \Cup_{\l \in \L} \hatB_{\l} \in \hcalB \).

6. 1番目の証明:

自明である.(\( X \in \calB \) であることに注意. \( \calA' = \emset \) ととればよい.) //

7. 2番目の証明:

まず, \( \calB \) が共通部分をとる操作に関して閉じていることに注意する: \[ B_1, \, B_2 \in \calB \,\,\, \imp \,\,\, B_1 \cap B_2 \in \calB. \]

本題に戻る. ある \( \calB_1\), \( \calB_2 \ss \calB \) が存在して, \[ \hatB_1 = \Cup_{B_1 \in \calB_1} B_1, \quad \hatB_2 = \Cup_{B_2 \in \calB_2} B_2 \] であり, \[ \hatB_1 \cap \hatB_2 = \prn{\Cup_{B_1 \in \calB_1} B_1} \cap \prn{\Cup_{B_2 \in \calB_1} B_2} = \Cup_{\substack{B_1 \in \calB_1 \\ B_2 \in \calB_2}} \prn{B_1 \cap B_2} \] である.

各々の \( B_1 \cap B_2 \) が \( \calB \) に属するので, \( \hatB_1 \cap \hatB_2 \in \hcalB \) である. //

8. 3番目の証明:

自明である. //

9. \( \hcalB \) が位相であることが示され, したがって, \( \calB \) が位相 \( \calO \) の基であることも示された. //