稠密な部分集合上で一致する連続写像(1)

\( \newcommand{\olA}{\overline{A}} \newcommand{\rmT}{\mathrm{T}} \newcommand{\ph}{\varphi} \newcommand{\D}{\Delta} \newcommand{\phinv}{\ph^{-1}} \newcommand{\tm}{\times} \newcommand{\ss}{\subset} \newcommand{\ssn}{\subsetneq} \newcommand{\col}{\, \colon \,} \newcommand{\mto}{\mapsto} \newcommand{\imp}{\,\,\, \Rightarrow \,\,\,} \newcommand{\set}[2]{\left\{ #1 \mathrel{} \middle| \mathrel{} #2 \right\}} \)

1. 次が成り立つ.

\( X \) を位相空間, \( Y \) をハウスドルフ空間とし, 2つの連続写像 \[ f, \, g \col X \to Y \] が与えられているとする. \( X \) の稠密な部分集合 \( A \) 上で \( f \) と \( g \) が一致するならば, これらは全空間 \( X \) 上でも一致する: \[ f|_A = g|_A \imp f = g. \]

2. \( Y \) がハウスドルフであるという仮定を落とすと, 上の命題は成り立たない.

なぜなら:

\( Y \) が密着位相をもっている場合を考えればよい. この場合, すべての写像が連続なので.

3. 証明.

\( X \) から \( Y \tm Y \) への写像 \( \ph \) を \[ \ph \col X \to Y \tm Y, \quad x \mto (f(x), \, g(x)) \] で定義する.

\( Y \tm Y \) の対角線集合 \[ \D = \set{(y_1, \, y_2) \in Y \tm Y}{y_1 = y_2} \] の \( \ph \) による逆像は, \[ \phinv(\D) = \set{x \in X}{f(x) = g(x)} \] であるので, \[ \phinv(\D) = X \] であることを示せばよい.

次の2点が証明の要点.

(1)\( \ph \) は連続である: 成分 \( f \), \( g \) が連続なので.

(2)\( \D \) は \( Y \tm Y \) の閉集合である: \( Y \) がハウスドルフなので.

(1)と(2)より, \( \phinv(\D) \) は \( X \) の閉集合である. 仮定より, \[ A \ss \phinv(\D) \] であるので, \[ \olA = X \ss \phinv(\D) \] が成り立つ. //

4. \( Y \) にハウスドルフという点の分離性を導入すると, 命題が成り立ったわけだが, より弱い \( \rmT_1 \) という分離性を課した場合はどうであるか?

次回, この問題を考えてみる.