始位相と終位相(3): 積空間への写像の連続性とその成分の連続性

\( \newcommand{\scA}{\mathscr{A}} \newcommand{\scF}{\mathscr{F}} \newcommand{\scI}{\mathscr{I}} \newcommand{\scO}{\mathscr{O}} \newcommand{\finv}{f^{-1}} \newcommand{\ginv}{g^{-1}} \newcommand{\tm}{\times} \newcommand{\ss}{\subset} \newcommand{\sp}{\supset} \newcommand{\nin}{\not\in} \newcommand{\nni}{\not\ni} \newcommand{\emset}{\emptyset} \newcommand{\Cup}{\bigcup} \newcommand{\Cap}{\bigcap} \newcommand{\Qap}{\prod} \newcommand{\ld}{\ldots} \newcommand{\cd}{\cdots} \newcommand{\cc}{\circ} \newcommand{\col}{\, \colon \,} \newcommand{\mto}{\mapsto} \newcommand{\uto}[1]{\overset{#1}{\longrightarrow}} \newcommand{\imp}{\Rightarrow} \newcommand{\fol}{\Leftarrow} \newcommand{\equ}{\,\,\, \Leftrightarrow \,\,\,} \newcommand{\set}[2]{\left\{ #1 \mathrel{} \middle| \mathrel{} #2 \right\}} \newcommand{\prn}[1]{\left( #1 \right)} \newcommand{\brc}[1]{\left\{ #1 \right\}} \DeclareMathOperator{\id}{id} \)

1. 写像族 \[ S \uto{g_j} Y_j \quad (j \in J) \] が与えられているとする. ここで, \( S \) は単なる集合で, 各 \( Y_j \) は位相空間である.

写像族 \( (g_j)_{j \in J} \) の定める始位相 \( \scI \) と, 各写像 \( g_j \) の定める始位相 \( \scI_j \) の間には, 次の関係がある: \[ \scI = \text{\( \prn{ \Cup_{j \in J} \scI_j } \) で生成される位相} =: \scI'. \]

なぜなら:

\( \sp) \) \( \scI_j \) の最弱性より, \begin{align*} &\scI \sp \scI_j. \\[0.5em] \therefore \,\, &\scI \sp \Cup_{j \in J} \scI_j. \\[0.5em] \therefore \,\, &\scI \sp \scI'. \end{align*}

\( \ss) \) 各 \( j \) に対して \( \scI_j \ss \scI' \) であるから, \( \scI' \) は \( g_j \) すべてを連続にする(前回, \[ \text{「 写像 \( X \to Y \) が連続 \( \equ \) 始位相 \( \ss \scO_X\) 」} \] であることを述べた) . \( \scI \) の最弱性より, \[ \scI \ss \scI'. \]

2. 写像族 \[ X_i \uto{f_i} S \quad (i \in I) \] が与えられているとする. ここで, \( S \) は単なる集合で, 各 \( X_i \) は位相空間である.

写像族 \( (f_i)_{i \in I} \) の定める終位相 \( \scF \) と各写像 \( f_i \) の定める終位相 \( \scF_i \) の間には, 次の関係がある: \[ \scF = \Cap_{i \in I} \scF_i =: \scF'. \]

なぜなら:

\( \ss) \) \( \scF_i \) の最強性より, \begin{align*} &\scF \ss \scF_i. \\[0.5em] \therefore \,\, &\scF \ss \scF'. \end{align*}

\( \sp) \) 各 \( i \) に対して \( \scF' \ss \scF_i \) であるから, \( \scF' \) は \( f_i \) すべてを連続にする(前回, \[ \text{「 写像 \( X \to Y \) が連続 \( \equ \) \( \scO_Y \ss 終位相 \) 」} \] であることを述べた) . \( \scF \) の最強性より, \[ \scF \sp \scF'. \]

1. 2つの写像 \[ X \uto{f} S \uto{g} Y \] が与えられているとする. ここで, \( S \) は単なる集合で, \( X \) と \( Y \) は位相空間である.

このとき, \( S \) 上の始位相 \( \scI \) と終位相 \( \scF \) に関して, 次が成り立つ: \[ \text{合成 \( g \cc f \) が連続 \( \equ \) \(\scI \ss \scF\)}. \]

2. 前回, \begin{align*} \text{ 写像 } X \to Y \text{ が連続 } &\equ \text{ 始位相 } \ss \scO_X \\[0.8em] &\equ \scO_Y \ss \text{ 終位相 } \end{align*} であることを述べたが, これは上の命題からすぐに従う.

なぜなら:

(1)2つの写像 \[ X \uto{\id} X \uto{} Y \] を考え, \( \id \) による終位相が \( \scO_X \) であることに注意すればよい.

(2)2つの写像 \[ X \uto{} Y \uto{\id} Y \] を考え, \( \id \) による始位相が \( \scO_Y \) であることに注意すればよい.

3. 証明.

\begin{align*} \text{ \( X \uto{f} S \uto{g} Y \) が連続 } &\equ \forall O \in \scO_Y, \quad \finv( \ginv( O ) ) \in \scO_X \\[0.8em] &\equ \forall O \in \scO_Y, \quad \ginv( O ) \in \scF \\[0.8em] &\equ \set{\ginv(O)}{O \in \scO_Y} \ss \scF \\[0.8em] &\equ \scI \ss \scF \end{align*} なので. //

1. より一般に, 2つの写像族 \[ X_i \uto{f_i} S \uto{g_j} Y_j \quad (i \in I, \, j \in J) \] が与えられているとする. ここで, \( S \) は単なる集合で, 各 \( X_i \) と \( Y_j \) は位相空間である.

このとき, \( S \) 上の始位相 \( \scI \) と終位相 \( \scF \) に関して, 次が成り立つ: \[ \text{合成 \( \, g_j \cc f_i \, \) がすべて連続 \( \equ \) \(\scI \ss \scF\)}. \]

2. なぜなら:

\begin{align*} X_i \uto{f_i} S \uto{g_j} Y_j \, \text{ がすべて連続 } &\equ \forall i, \, j, \quad \scI_j \ss \scF_i \\[0.8em] &\equ \Cup_{j \in J} \scI_j \ss \Cap_{i \in I} \scF_i \\[0.8em] &\equ \scI \ss \scF \end{align*} なので. //

1. \( Y \) を位相空間族 \( (Y_j)_{j \in J} \) の積空間とする: \[ Y := \Qap_{j \in J} Y_j. \] \( Y \) には積位相, すなわち, 射影の族 \[ Y \uto{p_j} Y_j \quad (j \in J) \] による始位相 \( \scI \) が入っている.

\( X \) を位相空間とし, \( X \) から \( Y \) への写像 \( f \) と射影族 \( (p_j)_{j \in J} \) を考える: \[ X \uto{f} Y \uto{p_j} Y_j \quad (j \in J). \]

2. このとき, 次が成り立つ: \[ \text{ \( f \, \) の成分 \( \, p_j \cc f \, \) がすべて連続 \( \equ \) \( f \, \) が連続 } . \]

3. 証明.

\( f \) による終位相を \( \scF \) とすると, \begin{align*} \text{ \( f \, \) の成分 \( \, p_j \cc f \, \) がすべて連続 } &\equ \scI \ss \scF \\[0.8em] &\equ \text{ \( f \, \) が連続 } \end{align*} なので(\( \scO_Y = \scI \) に注意). //