部分集合族によって生成される位相

\( \newcommand{\l}{\lambda} \newcommand{\L}{\Lambda} \newcommand{\scA}{\mathscr{A}} \newcommand{\scB}{\mathscr{B}} \newcommand{\scO}{\mathscr{O}} \newcommand{\tm}{\times} \newcommand{\ss}{\subset} \newcommand{\sp}{\supset} \newcommand{\nin}{\not\in} \newcommand{\nni}{\not\ni} \newcommand{\emset}{\emptyset} \newcommand{\Cup}{\bigcup} \newcommand{\Cap}{\bigcap} \newcommand{\ld}{\ldots} \newcommand{\cd}{\cdots} \newcommand{\mto}{\mapsto} \newcommand{\imp}{\Longrightarrow} \newcommand{\equ}{\Longleftrightarrow} \newcommand{\set}[2]{\left\{ #1 \mathrel{} \middle| \mathrel{} #2 \right\}} \newcommand{\prn}[1]{\left( #1 \right)} \newcommand{\brc}[1]{\left\{ #1 \right\}} \DeclareMathOperator{\Int}{Int} \)

\( X \) を集合とする. その部分集合族 \( \scA \) に対して, \( \scA \) の要素をすべて開集合とするような \( X \) の最弱の位相 \( \scO \) が存在する: 位相 \( \scO \) は \[ \scA \ss \scO \] をみたし, \( \scA \ss \scO' \) である任意の位相に対して, \[ \scO \ss \scO' \] が成り立つ.

このような位相の一意性は自明である. この位相を

「部分集合族 \( \scA \) によって生成される位相」

という.

最初に述べた命題を示そう. まず補題から.

補題. 位相の共通部分はまた位相である: \( (\scO_{\l})_{\l \in \L} \) が集合 \( X \) 上の位相の族であれば, \[ \Cap_{\l \in \L} \scO_{\l} \] も \( X \) 上の位相である.

証明. 位相の3つの条件を確かめればよい.

(1) 任意の \( \l \in \L \) に対して, \[ \emset, \, X \in \scO_{\l} \] であるので, \[ \emset, \, X \in \Cap_{\l \in \L} \scO_{\l} \] である.

(2) \[ U, \, V \in \Cap_{\l \in \L} \scO_{\l} \] とする. このとき, \[ \forall \l \in \L, \quad U, \, V \in \scO_{\l}. \] 各 \( \scO_{\l} \) は位相であるので, \[ \forall \l \in \L, \quad U \cap V \in \scO_{\l}. \] したがって, \[ U \cap V \in \Cap_{\l \in \L} \scO_{\l} \] である.

(3) \[ \forall i \in I, \quad U_i \in \Cap_{\l \in \L} \scO_{\l} \] とする. このとき, \[ \forall i \in I, \quad \forall \l \in \L, \quad U_i \in \scO_{\l}. \] 各 \( \scO_{\l} \) は位相であるので, \[ \forall \l \in \L, \quad \Cup_{i \in I} U_i \in \scO_{\l}. \] したがって, \[ \Cup_{i \in I} U_i \in \Cap_{\l \in \L} \scO_{\l} \] である. □

空である位相の族(\( \L = \emset \) )に対しても補題は正しいことを注意しておく. この場合, \[ \Cap_{\l \in \L} \scO_{\l} = 2^X = \text{\( X \) 上の離散位相} \] である.

補題の系. \( \scA \) を集合 \( X \) の部分集合族とする. \( \scA \) を含む \( X \) 上の位相の族の共通部分もまた, \( \scA \) を含む \( X \) 上の位相である.

空族に対しても成り立つことは, 補題同様である.

最初の命題の証明. 次のような \( X \) 上の位相の族を考える: \[ \set{X \text{ 上の位相 } \scO'}{\scA \ss \scO'}. \] この位相の族の共通部分を \( \scO \) とする. 補題の系より, \( \scO \) は \( \scA \) を含む位相である. \( \scO \) は上の位相の族の共通部分であるので, この位相の族に属する任意の位相よりも小さい. したがって, \( \scO \) は \( \scA \) を含む最弱の位相である. □