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ニ☆ウ☆ト☆ラ☆ボ

タイトルテスト中

距離空間の交わらない閉集合は、開集合で分離される。(1)

主張を正確に述べます:

\( F_1 \) と \( F_2 \) を距離空間 \( X \) の交わらない閉集合とするとき, ある開集合 \( U_1 \) と \( U_2 \) が存在して, \[ F_1 \subset U_1, \quad F_2 \subset U_2, \quad U_1 \cap U_2 = \emptyset. \]

証明は, \begin{align*} U_1 &:= \{ x \in X \mid d(x, F_1) < d(x, F_2) \}, \\[0.5em] U_2 &:= \{ x \in X \mid d(x, F_1) > d(x, F_2) \} \end{align*} (\( d \) は \( X \) の距離)ととるだけです. なぜこれでよいのか, 以下に証明を詳しく述べます.
次の手順で証明します:
  1. 集合と集合の距離(特に, 点と集合の距離)を定義する.
  2. \(A \subset X\) が閉集合で, \(x \not\in A \) のとき, \( d(x, A) > 0 \).
  3. 三角不等式の拡張: \(x, \, y \in X, \, A \subset X \) に対して, \( d(x,A) \le d(x,y) + d(y,A) \).
  4. \(A, \, B \subset X \) に対して, \( U := \{ x \in X \mid d(x,A) < d(x,B) \} \) は開集合.
  5. \( F_1 \) と \( F_2 \) を開集合で分離.
1. \( A \), \( B \subset X \) に対して, \[ d(A,B) := \inf \{ d(a,b) \mid a \in A, \, b \in B \}. \] \( x \in X \) のとき, \( d(\{x\},A) \) を \( d(x,A) \) と書くことにする.
2. \( A \subset X \) を閉集合とし, \( x \not\in A \) とする. \( A^c \) は開集合であり, \( x \in A^c \) であるから, ある \( \varepsilon > 0 \) が存在して, \[ B(x,\varepsilon) := \{ y \in X \mid d(y,x) < \varepsilon \} \subset A^c. \] したがって, 任意の \( a \in A \) に対して, \[ d(x, a) \ge \varepsilon. \] よって, \[ d(x,A) = \inf \{ d(x,a) \mid a \in A \} \ge \varepsilon > 0. \]
3. \( x \), \( y \in X \), \( A \subset X \) とする. \( a \in A \) に対して, \[ d(x,A) \le d(x,a) \le d(x,y) + d(y,a). \] したがって, \begin{align*} d(x,A) &\le \inf \{ d(x,y) + d(y,a) \mid a \in A \} \\[0.5em] &= d(x,y) + \inf \{ d(y,a) \mid a \in A \} = d(x,y) + d(y,A). \end{align*}
4. \( A \), \( B \subset X \) とする. \[ U := \{ x \in X \mid d(x,A) < d(x,B) \} \] とする. \( U \) が開集合であることを示すには, 任意の \( x \in U \) に対して, ある \( \varepsilon > 0 \) が存在して, \[ B(x, \varepsilon) \subset U \] となることを示せばよい. \[ r = \frac{d(x,B) - d(x,A)}{2} > 0 \] に対して, \( B(x,r) \subset U \) となることを示す. \( y \in B(x,r) \) とする. このとき, \[ d(y,A) \le d(y,x) + d(x,A) < r + d(x,A) = \frac{d(x,A) + d(x,B)}{2}. \] また \begin{gather*} d(x,B) \le d(x,y) + d(y,B) < r + d(y,B). \\[0.5em] \therefore \quad d(y,B) > d(x,B) - r = \frac{d(x,A) + d(x,B)}{2}. \end{gather*} したがって, \[ d(y,A) < \frac{d(x,A) + d(x,B)}{2} < d(y,B) \] であり, \( y \in U \) である.
5. さて, 冒頭の主張を示す. \begin{align*} U_1 &:= \{ x \in X \mid d(x,F_1) < d(x,F_2) \}, \\[0.5em] U_2 &:= \{ x \in X \mid d(x,F_1) > d(x,F_2) \} \end{align*} とする. このとき, \( U_1 \) と \( U_2 \) は開集合である. \( F_1 \) と \( F_2 \) は交わらない閉集合であったので, 次が言える:
  • \( x \in F_1 \) に対して, \( d(x,F_1) = 0 \) かつ \( d(x,F_2) > 0 \). よって, \( F_1 \subset U_1 \).
  • \( x \in F_2 \) に対して, \( d(x,F_1) > 0 \) かつ \( d(x,F_2) = 0 \). よって, \( F_2 \subset U_2 \).
\( U_1 \) と \( U_2 \) が交わらないことは定義から自明なので, 主張は示された. \( \Box \)
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