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ベクトル空間のテンソル積

\( \newcommand{\s}{\sigma} \newcommand{\t}{\tau} \newcommand{\l}{\lambda} \newcommand{\m}{\mu} \newcommand{\ph}{\varphi} \newcommand{\ps}{\psi} \DeclareMathOperator{\id}{id} \)まったく見事な定義です.

\( V \) と \( W \) を体 \( k \) 上のベクトル空間とする. \( k \) ベクトル空間 \( T \) と \( k \) 双線形写像 \[ \t \colon V \times W \to T \] の対 \( (T, \t) \) が \( V \) と \( W \) のテンソル積であるとは, 次の条件をみたすことである.

条件: \( k \) ベクトル空間 \( S \) と \( k \) 双線形写像 \[ \s \colon V \times W \to S \] の対 \( (S, \s) \) が与えられたとき, 図式

\( V \times W \) \( \stackrel{\large \t}{\longrightarrow} \) \( T \)
\( \longrightarrow \) \( \phantom{\ph} \downarrow \ph \)
\( S \)
\( V \times W \) \( \stackrel{\large \t}{\longrightarrow} \) \( T \)
\( \begin{matrix} {} \\ \s \,\,\, \end{matrix} \) \( \phantom{\ph} \downarrow \ph \)
\( S \)
を可換にする \( k \) 線形写像 \[ \ph \colon T \to S \] がただ1つ存在する.

上の条件をテンソル積の普遍性といいます.

テンソル積の一意性.

\( (T, \t) \) と \( (T', \t') \) を \( V \) と \( W \) のテンソル積とする. このとき, 図式

\( V \times W \) \( \stackrel{\large \t}{\longrightarrow} \) \( T \)
\( \longrightarrow \) \( \phantom{\ph} \downarrow \ph \)
\( T' \)
\( V \times W \) \( \stackrel{\large \t}{\longrightarrow} \) \( T \)
\( \begin{matrix} {} \\ \t' \,\,\, \end{matrix} \) \( \phantom{\ph} \downarrow \ph \)
\( T' \)
を可換にする \( k \) 線形写像 \( \ph \colon T \to T' \) がただ1つあり, 図式
\( V \times W \) \( \stackrel{\large \t}{\longrightarrow} \) \( T \)
\( \longrightarrow \) \( \phantom{\ps} \uparrow \ps \)
\( T' \)
\( V \times W \) \( \stackrel{\large \t}{\longrightarrow} \) \( T \)
\( \begin{matrix} {} \\ \t' \,\,\, \end{matrix} \) \( \phantom{\ps} \uparrow \ps \)
\( T' \)
を可換にする \( k \) 線形写像 \( \ps \colon T' \to T \) がただ1つある. \( k \) 線形写像 \( \ps \circ \ph \) と \( \id_T \) は図式
\( V \times W \) \( \stackrel{\large \t}{\longrightarrow} \) \( T \)
\( \longrightarrow \) \( \downarrow \ps \circ \ph, \,\, \id_T \)
\( T \)
\( V \times W \) \( \stackrel{\large \t}{\longrightarrow} \) \( T \)
\( \begin{matrix} {} \\ \t \,\,\, \end{matrix} \) \( \downarrow \ps \circ \ph, \,\, \id_T \)
\( T \)
を可換にするが, そのような \( k \) 線形写像はただ1つなので, \[ \ps \circ \ph = \id_T \] である. 同様に, \[ \ph \circ \ps = \id_{T'} \] も成り立つ. したがって, 一意的に定まる写像 \( \ph \) は線形同型であり, この写像によって, テンソル積はすべて同一視される.

テンソル積の存在.

\( A \) を \( V \) の基底,
\( B \) を \( W \) の基底,
とする. 直積集合 \( A \times B \) を基底とするベクトル空間 \( T \) と \[ \t (a,b) = (a,b) \quad (a \in A, \, b \in B) \] で定義される \( k \) 双線形写像 \[ \t \colon V \times W \to T \] を考えればよい.

1. \( V \) と \( W \) のテンソル積を \[ V \otimes_k W \] と書きます. 考えている体が明らかなときには, 単に \( V \otimes W \) と書くこともあります.

2. \( v \in V \) と \( w \in W \) に対して, \( \t(v,w) \) を \[ v \otimes w \] と書きます.

終わり.
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