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ニ☆ウ☆ト☆ラ☆ボ

タイトルテスト中

多項式環の普遍性

\( \newcommand{\Rx}{R[x]} \newcommand{\p}{\varphi} \DeclareMathOperator{\id}{id} \)

\( R \) を可換環とする. \( S \) を \( R \) 代数とし, \( a \in S \) とする. このとき, \( R \) 代数の準同型

\[ \p \colon \Rx \to S \]

で,

\[ \p(x) = a \]

をみたすものがただ1つ存在する.

前回(多項式環の定義)述べた多項式環の定義に基づいて, これを証明してみます.

証明.

(存在) \( (x^n)_{n \ge 0} \) は \( \Rx \) の \( R \) 加群としての基底なので,

\[ \p(x^n) = a^n \quad (n \ge 0) \]

をみたす \( R \) 線形写像 \( \p \colon \Rx \to S \) がただ1つ存在する.

この \( \p \) が \( R \) 代数の準同型であることを示せばよいのだが, \( R \) 代数の準同型は \( R \) 線形な環準同型にほかならないので(簡単に示せる), \( \p \) が環準同型であることを示せばよい.

\( \p(x^0) = a^0 \) より, 単位元は単位元に対応するので, 残るは

\[ \p(fg) = \p(f) \p(g), \quad \forall f, \, g \in \Rx \]

である.

\begin{align*} &\Rx \times \Rx \to S, \quad (f,g) \mapsto \p(fg), \\ &\Rx \times \Rx \to S, \quad (f,g) \mapsto \p(f) \p(g) \end{align*}

はともに \( R \) 双線形写像であるから, 基底上でこれらが等しいことを示せばよい:

\[ \p(x^m \cdot x^n) = \p(x^{m+n}) = a^{m+n} = a^m \cdot a^n = \p(x^m) \p(x^n). \]

これで存在が示された.

(一意性) 自明.

終わり.

\( (P,x) \) と \( (Q,y) \) を \( R \) 上の多項式環とすると, 多項式環の普遍性により, \( R \) 代数の準同型

\begin{align*} \p &\colon P \to Q, \quad x \mapsto y, \\[0.5em] \psi &\colon Q \to P, \quad y \mapsto x \end{align*}

がただ1つ存在します. 再び多項式環の普遍性により,

\begin{align*} \psi \circ \p &\colon P \to P \\[0.5em] \p \circ \psi &\colon Q \to Q \end{align*}

は \( \id \) でなければなりません. つまり,

\[ \p \colon P \to Q \]

は \( R \) 代数の同型です. この一意的に定まる同型写像により, すべての多項式環を同一視することができます.

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