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ニ☆ウ☆ト☆ラ☆ボ

タイトルテスト中

\( \mathbb{Z} \) 上既約な多項式 \( \mathbb{Q} \) 上既約な多項式

雑記

\( \newcommand{\Z}{\mathbb{Z}} \newcommand{\Q}{\mathbb{Q}} \newcommand{\Zx}{\mathbb{Z}[x]} \newcommand{\Qx}{\mathbb{Q}[x]} \newcommand{\Rx}{R[x]} \newcommand{\f}{f(x)} \newcommand{\g}{g(x)} \newcommand{\h}{h(x)} \newcommand{\gbar}{\overline{g}(x)} \newcommand{\hbar}{\overline{h}(x)} \newcommand{\Zpx}{\left( \mathbb{Z} \, / \, p \mathbb{Z} \right) [x]} \)多項式の既約性に関して, 次のような事実が知られており, 面白い.

「\( \f \in \Zx \) を 1 次以上の多項式とする. \( \f \) が \( \Z \) 上既約であることと, \( \Q \) 上既約であることは同値である.」

多項式が既約であるとはどういうことか? 次が定義である.

「\( R \) を整域とする. 次数が 1 以上の \( R \) 係数多項式 \( \f \) に対して, 可約と既約の概念を次のようにして定める: \( \f \) が \( R \) 上可約であるとは, 次数が 1 以上の多項式 \( \g \), \( \h \in \Rx\) が存在して,

\[ \f = \g \h \]

となることである. \( f \) が \( R \) 上既約であるとは, \( R \) 上可約でないことである.」

注意. 次数が 1 以上の \( \f \in \Rx \) に対して,

\( \f \) が \( \Rx \) の既約元 \( \,\,\, \Longrightarrow \,\,\, \) \( \f \) は \( R \) 上既約

は成り立つが, 逆は成り立たない. 例えば,

\[ 2x \in \Zx \]

は \( \Z \) 上既約であるが, \( \Zx \) の既約元ではない. 2 も \( x \) も \( \Zx \) の単元ではないからである.

さて, 最初に述べた命題を証明してみよう. \( \Z \) 上可約であることと, \( \Q \) 上可約であることが同値であることを証明すればよい.

\( \Rightarrow) \) 自明.

\( \Leftarrow) \) 次数が \( 1 \) 以上の \( \g \), \( \h \in \Qx \) が存在して,

\[ \f = \g \h. \]

ある \( 0 < b, c \in \Z \) が存在して,

\[ b \g, \, c \h \in \Zx. \]

このとき,

\[ bc \f = \bigl( b \g \bigr) \cdot \bigl( c \h \bigr) \]

より, \( bc \f \) は \( \Z \) 上可約である. 下の補題より, \( \f \) も \( \Z \) 上可約である. \( \Box \)

補題. \( 0 < a \in \Z \) とし, \( \f \in \Zx \) を 1 次以上の多項式とする. \( a \f \) が \( \Z \) 上可約ならば, \( \f \) も \( \Z \) 上可約である.

証明. \( a \) に関する帰納法で示す. \( a = 1 \) のときは自明なので, \( a > 1 \) とする. \( p \) を \( a \) の素因数とし,

\[ a = p a_1, \quad a_1 \in \Z \] とする. 仮定より, \[ a \f = \g \h \]

となる, 次数が 1 以上の多項式 \( \g \), \( \h \in \Zx \) が存在する. \( \bmod p \) で還元して,

\[ 0 = \gbar \hbar. \]

\( \Zpx \) は整域なので, \( \gbar = 0 \) または \( \hbar = 0 \) である. \( \gbar = 0 \) とすると,

\[ \g = p g_1(x), \quad \exists g_1(x) \in \Zx \]

なので,

\[ a \f = p g_1(x) \h. \]

両辺を \(p\) で割ると,

\[ a_1 \f = g_1(x) \h. \]

これより, \( a_1 \f \) は \( \Z \) 上可約である. 帰納法の仮定より, \( \f \) も \( \Z \) 上可約である. \( \hbar = 0 \) のときも同様である. \( \Box \)

多項式が \( \Z \) 上(したがって, \( \Q \) 上)既約であるかどうかを判定するアルゴリズムはあるだろうか?

調べてみると, あった: http://aozoragakuen.sakura.ne.jp/taiwa/taiwaNch02/node31.html

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