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複素整数と有限体の世界(33)ー第 IV 部 素数の分解法則ー無限の世界から有限の世界へ(1)

今回から, 私たちの目標であった仮説 A の考察を始めます. 仮説 A とは, 以下のようなものでした:

(仮説 A) 有理奇素数 \( p \) に対して, \[ x^{2} + y^{2} = p \,\, \text{が有理整数解をもつ} \,\,\, \Longleftrightarrow \,\,\, p \equiv 1 \!\!\! \pmod{4}. \]

以前, 有理素数の分解について, 以下のような命題を示しました:

有理素数 \( p \) に対して,
\( p \) が複素素数でない \( \, \Longleftrightarrow \, \) ある複素整数 \( \alpha \) に対して \( p = \alpha \, \overline{\alpha} \).

この命題は仮説 A の驚くべき言い換えを可能にします. 今回の考察で重要な役割を果たすことになるので, 改めて思い出しておきます.

限の世界から有限の世界へ

以下の命題が成り立ちます:

\( p \) を有理奇素数とする. このとき,
「 \( x^{2} + y^{2} = p \, \) が有理整数解をもつ 」
ことと
「 \( x^{2} + y^{2} \equiv 0 \), \( \, x \not\equiv 0 \), \( \, y \not\equiv 0 \pmod{p} \, \) が有理整数解をもつ 」
ことは同値である.
明 \( (\Rightarrow ) \)
方程式 \[ x^{2} + y^{2} = p \tag{*} \] をみたす有理整数 \( x \), \( y \) をとります. \( p \mid x \) と仮定すると, \( p \mid y \) となり, \[ p^2 \mid p \] が導かれます. これは矛盾なので, \[ x \not\equiv 0 \pmod{p} \] となっています. 同様に, \[ y \not\equiv 0 \pmod{p} \] も導かれます. 等式より, \[ x^2 + y^2 \equiv 0 \pmod{p} \] となるので, \( (\Rightarrow) \) は示されました.
明 \( (\Leftarrow ) \)
方程式 \[ x^{2} + y^{2} \equiv 0, \quad x \not\equiv 0, \quad y \not\equiv 0 \pmod{p} \] をみたす有理整数 \( x \), \( y \) をとります. このとき, 複素整数の世界で, \[ p \, \bigm| \, \left(x + i \, y \right) \left(x - i \, y \right) \] が成り立っています. \( p \) が複素素数であると仮定すると, \[ p \mid x + i \, y \quad \text{または} \quad p \mid x - i \, y \] となりますが, どちらの場合でも, \[ p \mid x \quad \text{かつ} \quad p \mid y \] となり, \( x \), \( y \) のとり方に矛盾します. したがって, \( p \) は複素素数ではありません. そうすると, 「復習」で述べた命題により, ある複素整数 \( \alpha = x_0 + i \, y_0 \) が存在して, \[ p = \alpha \, \overline{\alpha} = x_0^2 + y_0^2 \] となります. これで, \( (\Leftarrow) \) が示されました. (証明終)
説 A'

仮説 A は次のように言い換えられました:

(仮説 A') 有理奇素数 \( p \) に対して, \begin{align} &x^{2} + y^{2} \equiv 0, \,\, x \not\equiv 0, \,\, y \not\equiv 0 \!\!\! \pmod{p} \,\,\, \text{が有理整数解をもつ} \\[0.5em] &\Longleftrightarrow \,\,\, p \equiv 1 \!\!\! \pmod{4}. \end{align}