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複素整数と有限体の世界(24)ー第 III 部 素因数分解の一意性ー仮説 B'' の検証(2)

前回, 仮説 B'' の証明のためには,
\( \alpha \), \( \beta \) を複素整数, \( \pi \) を複素素数とする. \[ N( \alpha ) < N( \pi ) \] であるとき, \[ \pi \mid \alpha \, \beta \, \Longrightarrow \, \alpha = 0 \,\,\, \text{または} \,\,\, \pi \mid \beta. \]
を示せばよいことを述べました.

上の命題を少し変形して, \[ \textbf{「 } \,\, \pi \mid \alpha \, \beta \,\,\, \text{かつ} \,\,\, 1 \le N(\alpha) < N(\pi) \, \Longrightarrow \, \pi \mid \beta \,\, \textbf{ 」} \] とします. これを \( N(\alpha) \) に関する帰納法で示しましょう.

ステップ 1:

\( N(\alpha) = 1 \) とします. \[ \beta = N(\alpha) \, \beta = \alpha \, \beta \cdot \overline{\alpha} \] なので, \( \pi \mid \beta \) です.

ステップ 2:
\( N(\alpha) \ge 2 \) とします. \( \pi \) を \( \alpha \) で割って, \[ \pi = \kappa \, \alpha + \rho, \quad N(\rho) < N(\alpha) \] とします. \( \rho = 0 \) ならば, \[ \pi = \kappa \, \alpha , \quad 1 < N(\alpha) < N(\pi) \] となり, \( \pi \) が素数であることに矛盾するので, \( \rho \neq 0 \) です. \[ \pi \, \beta \, = \, \kappa \, \alpha \, \beta + \rho \, \beta \] より, \[ \pi \mid \rho \, \beta \] となりますが, \[ 1 \le N(\rho) < N(\alpha) < N(\pi) \] なので, 帰納法の仮定より \( \pi \mid \beta \) を得ます. (証明終)