レ☆ト☆ロ☆ラ☆ボ

タイトルテスト中

複素整数と有限体の世界(23)ー第 III 部 素因数分解の一意性ー仮説 B'' の検証(1)

仮説 B'' とは次の主張のことでした.

(仮説 B'') \( \alpha \), \( \beta \) を複素整数とし, \( \pi \) を複素素数とする. このとき, \[ \pi \mid \alpha \, \beta \, \Longrightarrow \, \pi \mid \alpha \,\,\, \text{または} \,\,\, \pi \mid \beta. \]

 

以下, この主張の正しいことを証明します.

殊な場合への帰着

仮説 B'' は次の特殊な場合に帰着します:

\( \alpha \), \( \beta \) を複素整数, \( \pi \) を複素素数とする. \[ N( \alpha ) < N( \pi ) \] であるとき, \[ \pi \mid \alpha \, \beta \, \Longrightarrow \, \pi \mid \alpha \,\,\, \text{または} \,\,\, \pi \mid \beta. \] 言い換えると, \[ \pi \mid \alpha \, \beta \, \Longrightarrow \, \alpha = 0 \,\,\, \text{または} \,\,\, \pi \mid \beta. \] (この命題の前提条件のもとでは, \( \pi \mid \alpha \) は \( \alpha = 0 \) を意味します.)

なぜなら, \( \alpha \) を \( \pi \) で割って, \[ \alpha = \kappa \, \pi + \rho, \quad N(\rho) < N(\pi) \] とするとき, \[ \pi \mid \alpha \, \beta \, \Longrightarrow \, \pi \mid \rho \, \beta \, \Longrightarrow \, \rho = 0 \,\, \text{または} \,\, \pi \mid \beta \, \Longrightarrow \, \pi \mid \alpha \,\, \text{または} \,\, \pi \mid \beta \] となるからです. 最初の (\( \Rightarrow \)) は, 等式 \[ \alpha \, \beta \, = \, \kappa \, \pi \, \beta + \rho \, \beta \] から従います.