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複素整数と有限体の世界(16)ー第 II 部 基本概念ー仮説 B の検証(1)

今回から, 仮説 A, B, C の検証作業を始めます. まずは仮説 B に取り組みます.

  1. 方程式 \[ x^{2} + y^{2} =n, \quad n = p_1^{\, l_1} \, \cdots \, p_r^{\, l_r} \] の整数解について考えていました. 第 2 式は \( n \) の素因数分解で, \[ p_h \equiv 1 \!\! \pmod{4}, \quad 1 \le h \le r \] です.
  2. 仮説 A のもと, 有理素数 \( p_h \) を \[ p_h = \pi_h \, \overline{\pi_h}, \quad \pi_h \, \text{は複素整数} \] と分解しました. \( \pi_h \) は複素素数となるのでした(以前示しました).
  3. 方程式を複素整数の範囲で因数分解しました: \[ \left( x + i \, y \right) \left(x - i \, y \right) = \left( \pi_1 \, \overline{\pi_1} \right)^{l_1} \cdots \left( \pi_r \, \overline{\pi_r} \right)^{l_r}. \tag{#} \]
  4. 方程式の整数解を得ました: \begin{multline} x + i \, y = \varepsilon \, \left( \pi_1^{a_1} \, \overline{\pi_1}^{\, l_1 - a_1} \right) \, \cdots \, \left( \pi_{r}^{a_r} \, \overline{\pi_r}^{\, l_r - a_r} \right), \\[0.5em] \text{\( \varepsilon \) は単数}, \quad 0 \le a_h \le l_h. \qquad \tag{☆} \end{multline}
説 B とは何であったか?
仮説 B とは, 次の主張のことでした:
(仮説 B) により与えられる整数解 \( (x,y) \) はすべて異なる.
辺の素因子は同伴でない

の右辺に現れる素因子 \[ \pi_1, \,\,\, \overline{\pi_1}, \,\,\, \ldots, \,\,\, \pi_r, \,\,\, \overline{\pi_r} \] は互いに同伴ではありません. これは次の事実より分かります:

  • \( \diamondsuit \quad \)ノルムが異なる複素整数は同伴でない.
  • \( \diamondsuit \quad \)有理奇素数 \( p \) の2つの因子は同伴でない(以前示しました).

説 B'

仮説 B は次の仮説 B' から従います.

(仮説 B') 互いに同伴でない複素素数 \( \pi_1 \), \( \ldots \), \( \pi_r \) と単数 \( \delta \), \( \varepsilon \) に対して, \[ \delta \, \pi_1^{a_1} \, \cdots \, \pi_r^{a_r} = \varepsilon \, \pi_1^{b_1} \, \cdots \, \pi_r^{b_r} \quad \left(a_h, \, b_h \ge 0 \right) \] ならば, \[ \delta = \varepsilon, \quad a_h = b_h \,\,\, \left(1 \le h \le r \right) . \]

これは,

「複素整数の世界でも ”素因数分解の一意性” が成り立つ」
という命題です.

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