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複素整数と有限体の世界(5)ー第 I 部 導入ー仮説 A

  • 問い: どのような素数 \( p \) が \[ p = \pi \, \overline{\pi}, \quad \pi \, \text{は複素整数} \] という形に分解できるのか?
  • 言い換え: どのような素数 \( p \) に対して, 方程式 \[ x^{2} + y^{2} = p \tag{#} \] は整数解をもつのか?

最初のいくつかの素数 \( p \) に対して, 方程式の整数解を調べてみます:

\( p \) 整数解 解の個数
\( 2 \) \( (\pm 1,\pm 1) \) \( 4 \)
\( 2 \) \( \,\, \bigl( \bigr. \) \( 3 \) なし \( 0 \)
\( 5 \) \( (\pm 1,\pm 2), \, (\pm 2,\pm 1) \) \( 8 \)
\( 4 \) \( \,\, \bigl( \bigr. \) \( 7 \) なし \( 0 \)
\( 11 \) なし \( 0 \)
\( 4 \) \( \,\, \bigl( \bigr. \) \( 13 \) \( (\pm 2, \pm 3), \, (\pm 3, \pm 2) \) \( 8 \)
\( 17 \) \( (\pm 1, \pm 4), \, (\pm 4, \pm 1) \) \( 8 \)
\( 4 \) \( \,\, \bigl( \bigr. \) \( 19 \) なし \( 0 \)
\( 23 \) なし \( 0 \)
\( 2 \) \( \,\, \bigl( \bigr. \) \( 29 \) \( (\pm 2, \pm 5), \, (\pm 5, \pm 2) \) \( 8 \)
\( 31 \) なし \( 0 \)
\( 4 \) \( \,\, \bigl( \bigr. \) \( 37 \) \( (\pm 1, \pm 6), \, (\pm 6, \pm 1) \) \( 8 \)
\( 41 \) \( (\pm 4, \pm 5), \, (\pm 5, \pm 4) \) \( 8 \)
\( 4 \) \( \,\, \bigl( \bigr. \) \( 43 \) なし \( 0 \)
\( 47 \) なし \( 0 \)
\( \vdots \) \( \vdots \) \( \vdots \)
\( p \) 整数解 解の個数
\( 2 \) \( (\pm 1,\pm 1) \) \( 4 \)
\( 3 \) なし \( 0 \)
\( 2 \) \( \,\, \bigl( \bigr. \) \( 5 \) \( (\pm 1,\pm 2), \, (\pm 2,\pm 1) \) \( 8 \)
\( 7 \) なし \( 0 \)
\( 2 \) \( \,\, \bigl( \bigr. \) \( 11 \) なし \( 0 \)
\( 13 \) \( (\pm 2, \pm 3), \, (\pm 3, \pm 2) \) \( 8 \)
\( 2 \) \(\,\, \bigl( \bigr. \) \( 17 \) \( (\pm 1, \pm 4), \, (\pm 4, \pm 1) \) \( 8 \)
\( 19 \) なし \( 0 \)
\( 6 \) \(\,\, \bigl( \bigr. \) \( 23 \) なし \( 0 \)
\( 29 \) \( (\pm 2, \pm 5), \, (\pm 5, \pm 2) \) \( 8 \)
\( 6 \) \(\,\, \bigl( \bigr. \) \( 31 \) なし \( 0 \)
\( 37 \) \( (\pm 1, \pm 6), \, (\pm 6, \pm 1) \) \( 8 \)
\( 2 \) \( \,\, \bigl( \bigr. \) \( 41 \) \( (\pm 4, \pm 5), \, (\pm 5, \pm 4) \) \( 8 \)
\( 43 \) なし \( 0 \)
\( 47 \) なし \( 0 \)
\( \vdots \) \( \vdots \) \( \vdots \)
をもつ素数ともたない素数
上の表から面白いことが観察されます: 奇素数 \( p \) に対して,
  • \( \diamondsuit \quad \)\( p \) が 2, 6 増えるときには, 解の有無が変化し,
  • \( \diamondsuit \quad \)\( p \) が 4 増えるときには, 解の有無が変化しない.
この表の範囲では,
\( p \) が 2, 6 増える \( \quad \Longleftrightarrow \quad \) \( p \) を 4 で割った余りが変化する,
\( p \) が 4 増える \( \quad \Longleftrightarrow \quad \) \( p \) を 4 で割った余りが変化しない,
が成り立っているので, 上の観察は次のように言い換えられます: 奇素数 \( p \) に対して,
  • \( \diamondsuit \quad \)\( p \) を 4 で割った余りが変化すれば, 解の有無も変化し,
  • \( \diamondsuit \quad \)\( p \) を 4 で割った余りが変化しなければ, 解の有無も変化しない.
この言い換えが意味することは, 奇素数 \( p \) が増加していくとき,
「 4 で割った余り 」 と 「 解の有無 」
が同時に切り替わるということです. \( p = 3 \) のときに解が存在しないことに注意すれば, このことから次の結論が得られるでしょう:
  • \( \diamondsuit \quad \)\( p \) を 4 で割った余りが 1 であれば, 方程式は解をもち,
  • \( \diamondsuit \quad \)\( p \) を 4 で割った余りが 3 であれば, 方程式は解をもたない.
この事実がこの表の範囲外でも成り立っているとして(計算機を用いれば実際にずっと先の方まで確認できます), 私たちは次の仮説を導入します:
(仮説 A) 奇素数  p に対して,

\[ x^{2} + y^{2} = p \,\, \text{が整数解をもつ} \,\, \Longleftrightarrow \,\, p \equiv 1 \! \pmod{4}. \]

 a-b c の倍数であるとき,  a \equiv b \pmod{c} と書きます.)
数解の個数
素数 \( p \) に対する整数解の個数に関しては,
「 整数解があれば, その個数は 8 」
が成り立っているようです.