レ☆ト☆ロ☆ラ☆ボ

タイトルテスト中

アポロニアン・ガスケットの描き方(4) ー 反転(1)

形は変化するが, 角度は決して変化しない. 日常出会うことのない立体射影のこの不思議な性質には, どこか人を惹きつけるものがあります.

等角性をもった平面上の変換は存在するでしょうか? 平行移動, 回転, 折り返し, 拡大縮小. これら自明なもの以外にはなかなか思い付きません.

非自明なものは存在するのか, しないのか? 今の段階では何も分かりませんが, 私たちの歩んできた立体射影の道はまだ続いています. もう少し先へと進んでみましょう.

f:id:sekibunta:20150105001252p:plain

上の図において, 変換 f が等角性をもつと仮定します. このときには, 変換 g もまた等角性を獲得します. 写像の合成の各過程が等角性をもつからです. つまり, 立体射影は球面から平面への一種の翻訳装置として機能し, 与えられた球面上の等角変換を平面上の等角変換へと書き換えます.

等角性をもつ球面の変換には, 誰もが知っている自明なものがあります. 形を変えない変換, 合同変換です. f としてこの合同変換をとるとき, 少し面白いことが観察されます. 変換 f が自明であるにもかかわらず, 対応する変換 g が自明でない場合があるのです. そんなうまい話があるものか. そう思われるかもしれませんが, これは数学の世界に時折見られる現象なのです. そして, このような不思議が人を数学に惹きつけるのでしょう.

さて, 球面の合同変換には,

  • ある軸の周りの回転
  • ある平面に関する対称変換

があります. 次回, 自明でない等角変換が現れる最も簡単な場合について見てみたいと思います.