レ☆ト☆ロ☆ラ☆ボ

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複素整数と有限体の世界

複素整数と有限体の世界(38)ー第 IV 部 素数の分解法則ー整域上の方程式の解の個数(2)

次の命題を示そうとしていました: \( p \) を有理素数とする. \( \mathbb{Z} / p \mathbb{Z} \) 上の \( n \) 次方程式 (\( n \ge 0 \)) の解の個数は \( n \) 個以下である. より一般に, 次を示しましょう: 整域 \( R \) 上の \( n \) 次方程式 (\( n …

複素整数と有限体の世界(37)ー第 IV 部 素数の分解法則ー整域上の方程式の解の個数(1)

次の命題の証明が終われば, 仮説 A'' の証明は完成です: \( p \) を有理素数とする. \( \mathbb{Z} / p \mathbb{Z} \) 上の \( n \) 次方程式 (\( n \ge 0 \)) の解の個数は \( n \) 個以下である. 今回は, 証明のための準備をします. \( n \)次関数 \( …

複素整数と有限体の世界(36)ー第 IV 部 素数の分解法則ー仮説 A'' の検証(2)

\( (\mathbb{Z} / p \mathbb{Z})^{\times} \) (\( p \) は有理奇素数) から自分自身への冪乗写像 \begin{align} f \, \colon \, & \left(\mathbb{Z} / p \mathbb{Z} \right)^{\times} \longrightarrow \left(\mathbb{Z} / p \mathbb{Z} \right)^{\times}, …

複素整数と有限体の世界(35)ー第 IV 部 素数の分解法則ー仮説 A'' の検証(1)

仮説 A'' とは, 以下の主張のことでした: (仮説 A'') 有理奇素数 \( p \) に対して, \begin{align} &X^{2} = [-1] \,\,\, \text{をみたす} \,\,\, X \in \mathbb{Z} / p \mathbb{Z} \,\,\, \text{が存在する} \\[0.5em] &\Longleftrightarrow \,\,\, p …

複素整数と有限体の世界(34)ー第 IV 部 素数の分解法則ー無限の世界から有限の世界へ(2)

今回の目標は仮説 A' を有限体の言葉で表現することです. 仮説 A' とは, 以下の命題のことでした: (仮説 A') 有理奇素数 \( p \) に対して, \begin{align} &x^{2} + y^{2} \equiv 0, \,\, x \not\equiv 0, \,\, y \not\equiv 0 \!\!\! \pmod{p} \,\,\,…

複素整数と有限体の世界(33)ー第 IV 部 素数の分解法則ー無限の世界から有限の世界へ(1)

今回から, 私たちの目標であった仮説 A の考察を始めます. 仮説 A とは, 以下のようなものでした: (仮説 A) 有理奇素数 \( p \) に対して, \[ x^{2} + y^{2} = p \,\, \text{が有理整数解をもつ} \,\,\, \Longleftrightarrow \,\,\, p \equiv 1 \!\!\! …

複素整数と有限体の世界(32)ー第 IV 部 素数の分解法則ーフェルマーの小定理

今回は, 「 フェルマーの小定理 」 と呼ばれる命題について述べます. フェルマーの小定理 \( p \) を有理素数とし, \( [0] \neq A \in \mathbb{Z} / p \mathbb{Z} \) とします. このとき, 列 \[ A \, [0], \quad A \, [1], \quad \ldots, \quad A \, [p-1] \…

複素整数と有限体の世界(31)ー第 IV 部 素数の分解法則ー有限体(5)

前回: \( \mathbb{Z} / p \mathbb{Z} \) (\( p \) は有理素数)が整域であることを示しました. 今回: \( \mathbb{Z} / p \mathbb{Z} \) が ”体” (「たい」と読む)であることを示します. ”体” の定義から始めましょう. 体 次の条件をみたす可換環 \[ (R,…

複素整数と有限体の世界(30)ー第 IV 部 素数の分解法則ー有限体(4)

前回: \( \mathbb{Z} / m \mathbb{Z} \) (\( m \) は正の有理整数)が可換環であることを示しました. 今回: \( \mathbb{Z} / p \mathbb{Z} \) (\( p \) は有理素数)が ”整域” であることを示します. ”整域” の定義から始めましょう. 整域 次の条件をみ…

複素整数と有限体の世界(29)ー第 IV 部 素数の分解法則ー有限体(3)

前回, \( \mathbb{Z} / m \mathbb{Z} \) (\( m \) は正の有理整数)上に加法と乗法を定義しましたが, これらの演算は有理整数のときと同じ演算規則に従います. 今回の記事では, 抽象代数学を用いて, これらの演算規則について整理します. 私たちが扱うのは,…

複素整数と有限体の世界(28)ー第 IV 部 素数の分解法則ー有限体(2)

今回の記事では, 剰余類の集合 \( \mathbb{Z}/m \mathbb{Z} \) (\( m \) は正の有理整数)上に加法と乗法, \begin{align} + \, \colon \, &\mathbb{Z}/m \mathbb{Z} \times \mathbb{Z}/m \mathbb{Z} \longrightarrow \mathbb{Z}/m \mathbb{Z}, \quad (A,B) …

複素整数と有限体の世界(27)ー第 IV 部 素数の分解法則ー有限体(1)

仮説 B'' の検証作業が前回までで終わりました. 私たちに残された課題は, 仮説 A の検証です. 今回からは, 仮説 A の検証に取り組みます. (仮説 A) 奇素数 \( p \) に対して, \[ x^{2} + y^{2} = p \,\, \text{が整数解をもつ} \,\,\, \Longleftrightar…

複素整数と有限体の世界(26)ー第 III 部 素因数分解の一意性ー割り算の余り(3)

次の命題の証明について考えています: 複素整数 \( \alpha \) と複素整数 \( \beta \neq 0 \) に対して, \[ \alpha = \kappa \, \beta + \rho, \quad N \left(\rho \right) 前回, この命題を特殊な場合に帰着させました: 複素整数 \( \alpha \) と有理整数…

複素整数と有限体の世界(25)ー第 III 部 素因数分解の一意性ー割り算の余り(2)

今回と次回の記事では, 次のことを厳密に, 幾何学的直感を用いない形で証明します. 複素整数 \( \alpha \) と複素整数 \( \beta \neq 0 \) に対して, \[ \alpha = \kappa \, \beta + \rho, \quad N \left(\rho \right) 特殊な場合への帰着 上の命題は, 次の…

複素整数と有限体の世界(24)ー第 III 部 素因数分解の一意性ー仮説 B'' の検証(2)

前回, 仮説 B'' の証明のためには, \( \alpha \), \( \beta \) を複素整数, \( \pi \) を複素素数とする. \[ N( \alpha ) を示せばよいことを述べました. 証明 上の命題を少し変形して, \[ \textbf{「 } \,\, \pi \mid \alpha \, \beta \,\,\, \text{かつ} …

複素整数と有限体の世界(23)ー第 III 部 素因数分解の一意性ー仮説 B'' の検証(1)

仮説 B'' とは次の主張のことでした. (仮説 B'') \( \alpha \), \( \beta \) を複素整数とし, \( \pi \) を複素素数とする. このとき, \[ \pi \mid \alpha \, \beta \, \Longrightarrow \, \pi \mid \alpha \,\,\, \text{または} \,\,\, \pi \mid \beta. …

複素整数と有限体の世界(22)ー第 III 部 素因数分解の一意性ー割り算の余り(1)

私たちに残された作業は, 仮説 A と仮説 B'' の検証です. まずは 仮説 B'' に取り組みます. 割り算の余り 割り算の余りに関して, 有理整数の場合に類似した, 次の命題が成り立ちます. 仮説 B'' の証明において, 中心的な役割を果たす命題です. 複素整数 …

複素整数と有限体の世界(21)ー第 II 部 基本概念ー素因数分解の一意性

以前, 仮説 B'' から仮説 B' (素因数分解の一意性)を導きました. これらの仮説は以下のようなものでした: (仮説 B') 互いに同伴でない複素素数 \( \pi_1 \), \( \ldots \), \( \pi_r \) と単数 \( \delta \), \( \varepsilon \) に対して, \[ \delta…

複素整数と有限体の世界(20)ー第 II 部 基本概念ーすべての複素素数

(仮説 A) 奇素数 \( p \) に対して, \[ x^{2} + y^{2} = p \,\, \text{が整数解をもつ} \,\, \Longleftrightarrow \,\, p \equiv 1 \! \pmod{4}. \] 仮説 A を仮定すると, \[ p \equiv 1 \pmod{4} \] である有理素数 \( p \) は, \[ p = \pi_p \, \overli…

複素整数と有限体の世界(19)ー第 II 部 基本概念ー仮説 C の検証(2)

前回の続きです. 仮説 B'' から仮説 C を導きます. 方程式: \[ x^2 + y^2 = p_1^{\, l_1} \, \cdots \, p_r^{\, l_r}. \] 因数分解すると, \[ \left(x+i \, y \right) \left(x-i \, y \right) = \left(\pi_1 \, \overline{\pi_1} \right)^{l_1} \cdots \l…

複素整数と有限体の世界(18)ー第 II 部 基本概念ー仮説 C の検証(1)

前回, 前々回で示したこと: 「仮説 B は仮説 B'' から従う.」 今回と次回で述べること: 「仮説 C も仮説 B'' から従う.」 仮説 C とは何であったか? 方程式: \[ \left(x+i \, y \right) \left(x-i \, y \right) = \left(\pi_1 \, \overline{\pi_1} …

複素整数と有限体の世界(17)ー第 II 部 基本概念ー仮説 B の検証(2)

前回, 仮説 B の証明のために仮説 B' (素因数分解の一意性)を導入しました: (仮説 B') 互いに同伴でない複素素数 \( \pi_1 \), \( \ldots \), \( \pi_r \) と単数 \( \delta \), \( \varepsilon \) に対して, \[ \delta \, \pi_1^{a_1} \, \cdots \,…

複素整数と有限体の世界(16)ー第 II 部 基本概念ー仮説 B の検証(1)

今回から, 仮説 A, B, C の検証作業を始めます. まずは仮説 B に取り組みます. 復習 方程式 \[ x^{2} + y^{2} =n, \quad n = p_1^{\, l_1} \, \cdots \, p_r^{\, l_r} \] の整数解について考えていました. 第 2 式は \( n \) の素因数分解で, \[ p_h \e…

複素整数と有限体の世界(15)ー第 II 部 基本概念ー素数(4)

複素素数の同伴についてです. 複素素数の同伴 複素素数の同伴に関して, 以下が成り立ちます: 複素素数 \( \pi_1 \) と \( \pi_2 \) に対して, \[ \pi_1 \mid \pi_2 \, \Longleftrightarrow \, \pi_1 \sim \pi_2. \] 証明 \( \Rightarrow \)) ある複素整数 \…

複素整数と有限体の世界(14)ー第 II 部 基本概念ー素数(3)

前回, 次の命題を述べました: 有理素数 \( p \) がある複素整数 \( \alpha \) に対して, \[ p = \alpha \, \overline{\alpha} \] と書かれるとする. このとき, \( \alpha \) は複素素数である. 有理素数の分解(3) 上の命題において, \( \alpha \) と \( …

複素整数と有限体の世界(13)ー第 II 部 基本概念ー素数(2)

前回, 次の命題を述べました: 有理素数 \( p \) に対して, \( p \) が複素素数でない \( \, \Longleftrightarrow \, \) ある複素整数 \( \alpha \) に対して \( p = \alpha \, \overline{\alpha} \). 有理素数の分解(2) 上の命題において, \( \alpha \) …

複素整数と有限体の世界(12)ー第 II 部 基本概念ー素数(1)

最後の基本概念, ”素数” について述べます. 素数の定義 有理整数において, 素数とは, 乗法に関してこれ以上分解されない数のことでした. 複素整数においても, ”素数” の概念をこれと同様に定めます: \( \pi \) を単数でない複素整数とする. 条件 「 \( \pi …

複素整数と有限体の世界(11)ー第 II 部 基本概念ー約数と倍数(2)

前回の続きです. 単数 "単数" とは, 1 の約数のことです. 有理整数の範囲での単数を "有理単数" といい, 複素整数の範囲での単数を "複素単数" といいます. 文脈上どちらであるかが明らかであれば, 単に単数といいます. 今後の記事においては, ほとんどの場…

複素整数と有限体の世界(10)ー第 II 部 基本概念ー約数と倍数(1)

普通の整数 \[ 0, \quad \pm \, 1, \quad \pm \, 2, \quad \ldots \] のことを, 複素整数と区別して, "有理整数" といいます. 約数と倍数 有理整数のときと同じように, 複素整数にも, ”約数” と ”倍数” の概念を定めます: 複素整数 \( \alpha \), \( \beta …

複素整数と有限体の世界(9)ー第 II 部 基本概念ー共役とノルム(2)

前回の続きです. 共通因子で割る ノルムの概念の応用として, 次の基本的な事実が証明されます. \( \alpha \), \( \beta \), \( \gamma \) を複素整数とし, \( \alpha \neq 0 \) とする. このとき, \[ \alpha \, \beta = \alpha \, \gamma \,\, \Longrightarr…